ATOKとgoogle日本語入力の比較
Last update 2018-05-02 16:13:47
私は以前、ATOK 13をずっと使い続けていたんですけれど、Windows 7を使い始めてからgoogle日本語入力を使うようになりました。
当時はおかしな変換をすることも多くなったのですが、徐々に賢くなってきて、今では特に不満もなく使っています。
で、最近、スマホで本を読もうと、電子書籍形式のファイルEPUBが作成できる、一太郎 徹を購入しました。ATOK付きだったので、さっそくインストールして使ってみたのですが、漢字変換能力に関しては、ほぼgoogle日本語入力と互角!なことにびっくり。
それだけgoogle日本語入力が進化、追い付いてきたということだと思います。
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が、いくつか得意不得意があったり、独特の機能があったりするので、比較してみました。
ATOKとgoogle日本語入力の比較
得意 | |
---|---|
ATOK | ・文字の修正が楽 ・ら抜き表現などの指摘 ・間違いの指摘 ・日本語単語を英単語に変換 ・打ち間違いでも正しく変換 ・細かいカスタマイズ |
google日本語入力 | ・人名に強い ・人気キーワードに強い ・無料 ・自動アップグレード ・話し言葉に強い(気がする) |
ATOKの強み
まずは、ATOKのほうが得意な部分を見ていきます。
文字の修正が楽
きょうはあつくてよんじゅうどになった
という文章を漢字変換中、「よんじゅうど」の部分を「さんじゅうど」に変更するような、変換途中に誤りに気づいた場合、ATOKの場合は、
「今日は暑くて」までは、正しい漢字なので、「暑くて」を確定する前にキーボードの右矢印ボタンを押します。
「あつくて」の文節区切りが一個ずれ、「あつくてよ」になります。
ここで文字を削除するキーボードの「BSキー」を押すと、文節移動した部分(「よ」の右横)にカーソル(キャロット)が移動してくれます。
google日本語入力の場合
google日本語入力で同じようなことをやろうとすると、「BSキー」を押すと、入力した文章の一番最後にカーソルが移動してしまいます。
「よ」を修正するには、いちいちカーソルを移動させてやらなければなりません。長い文章なんかを一気に入力して、変換しようとしたら頭の方で、1文字入力ミスがあった、なんて場合、修正するのにストレスが貯まります。
ら抜き表現の指摘
LINEのようなチャットや、親しい友達への会話であれば、問題ないのかもしれませんが、ビジネスなどで文章を打つ機会が多い人は、相手によっては非常に気を使う時があります。その一つが「ら抜き表現」。
「はなびがみれる」という表現は、友だちとの会話では使ってしまいそうな表現ですが、実際は「はなびがみられる」が正しい。
こういう「ら」が抜ける文章があると、ATOKでは誤りを指摘し、正しい表現を候補として表示してくれます。
googleの場合
google日本語入力の場合、ら抜き表現でもそのまま変換されます。誤りの指摘もありません。例えば今の例では、「花火が見れる」と変換されます。
間違いの指摘
ら抜き表現もそうなんですが、他にも誤った敬語の使い方、間違いだと思われる単語などを指摘、修正してくれます。
例えば、「体育」や「体育館」は、ただしくは「たいいく」「たいいくかん」なのですが、「たいく」「たいくかん」と打ってしまう人が多いんですよね。
ATOKでは、きちんとそういった間違いを指摘してくれます。
また、よくありがちなのが「的を得た」という表現。
正しくは「的を射た(まとをいた)」が正しいらしいのですが、これもATOKは指摘してくれます。
Google日本語入力の場合
Google日本語入力の場合、そのまま変換されてしまいます。
日本語単語を英単語に
日本語の単語を入力すると、候補の中に英単語に変換した場合の英単語が表示されます。
たとえば「うんてんする」と入力し、スペースキーを何度か押すと、「operate(運転する)」などの英単語が表示されます。
google日本語入力の場合
google日本語入力の場合、このように日本語だけです・・・。
ただし、カタカナ単語を入力すると、ATOK、Google日本語入力、どちらも英単語に変換してくれます。たとえば・・・
「りふれいん」と入力してスペースキーを押すと、ATOKではこのように「refrain」が候補として表示してくれますが、
打ち間違いでも正しく変換
素早く入力していると、たとえば「ほんのすこし」を「ほんんおすこし」と打ち間違えてしまうことがあります。
google日本語入力の場合
google日本語入力の場合、残念ながら修正はしてくれないようです。
ほんんお
ATOKの場合、「なんのもくてき」と入力したいのに、「なんおもくてき」と入力しても
階に強い
私の場合だけかもしれませんが、意外とよく「階」という漢字を使うんです。例えば、「一階に行くと、おふくろが」というような表現。で、最後まで入力すると、google日本語入力でも「一階」と変換してくれるんですけれど、「一階に行くと、」で変換すると、意外と多くの場合google日本語入力だと「一回」と変換されてしまうんですよね。
ATOKの場合は、この辺が優れていて、「いっかいにいくと」と入力してスペースキーを押すと、「一階に行くと」と正しく変換してくれるんです。
友達との会話でも、よく「何階にいるの?」という会話をすることが多く、google日本語入力を使っていると、しょっちゅう「回」の変換が多く、修正するのがめんどくさいと感じることが多い気がします。
google日本語入力の強み
無料!
google日本語入力の最大の強みは、無料で使える、ということでしょう。
ダウンロードページへ行き、インストールすればWindowsであろうが、Macであろうが、そしてアンドロイドであろうが無料で使うことが出来ます。
無料でもWindows標準付属のMicrosoft IMEのようにあまり賢くないと、使う気になりませんが、ATOK並の変換能力があり、ATOK以上に軽い動作で使用することが出来ます。
自動アップデート
ATOKは、新しいバージョンが発売されると新たに購入し直さなければ鳴りません。1年に1回、新しいバージョンのATOKが発売されますが、プレミアム版で約12,960円。ベーシック版で8,640円。
バージョンアップではベーシック版でも5,400円もしてしまいます。
それに対してgoogle日本語入力は、バックグラウンドで自動アップデート。常に無料で使用することが出来ます。もちろん広告が出る、といったことはなし。
人名に強い
google日本語入力を使っていて、もっとも便利さを感じるのが、人名に強いと言うこと。人名と言っても全く世間に知られていないような人名ではなく、芸能人や有名人、著名人の名前。
たとえば「げげげの女房」で人気を得た、「松下奈緒」さん。
私は芸能界に疎いので、「松下なんとか」・・・までわかるけれど、下の名前が出てこない。なんて場合も、「まつしたな」まで入力すると、当てはまる有名人の名前が候補として表示されます。
また「ブルゾンちえみ」は、Google日本語入力では「ぶるぞ」まで入力したところ、候補として表示されました。
ATOKの場合
ATOKの場合、「まつしたな」までの入力では、このような人名の候補は表示されませんでした。
ただし、「まつしたなお」まで入力すると、候補に「松下奈緒」が表示されました。
2014年のATOKでは、「まつしたなお」まで入力しないと候補に表示されませんでしたが、2017年のATOKでは「まつしたな」で候補に表示されるようになりました。
2017年にブレイクした「ブルゾンちえみ」ですが、ATOKでは全部入力しても候補には表示されませんでした。
Microsoft IMEの場合
Windows 10の標準日本語入力「Microsoft IME」でも「ぶるぞ」で候補が表示されました。
キーワードに強い
google日本語入力は流行語などのキーワードに強いです。例えば・・・
「スギ花粉」のような単語は、全て入力する前に正しい漢字が候補として表示されます。
他にも何となくgoogle日本語入力のほうが、特定のキーワード、一般に知られたキーワード、流行語に対して強い気がします。
無料!
google日本語入力の最大のメリットが、無料と言うことでしょう。これが有料で、ATOKと同じぐらいの料金がかかる、というのであれば、もしかしたらATOKの方を使っているかもしれません。
が、google日本語入力は無料!
で、しかも変換能力もATOKに匹敵するぐらい高く、会話や人名に強い、となれば使わない理由はないでしょう。
自動アップグレード
google日本語入力は、インターネットに接続していれば、バックグラウンドで自動でアップグレードしているようです。
ちなみに現在(2014年6月)のバージョンは、1.13.1641.0となっていました。
ATOKの場合は、新しいバージョンが発売されると、新たに購入しなおさなければなりません。
金額が安ければいいのですが、意外といい値段がするんです。
プレミアム版で定価、12,000円(税別)。
ベーシック版で定価8,000円。
バージョンアップする場合は、5,400円。1年に1回、バージョンアップするのですが、毎回アップデートすると、かなりコストが掛かります。
google日本語入力のアップデートについては、こちらを参考に。
話し言葉に強い
ATOKも話し言葉に強いんですが、LINEなどでチャットをしていると、何となくgoogle日本語入力のほうがスムーズに使用できている気がします。
軽い!
ATOK 2014は、2013年版と比べ25%高速化しているそうなんですが、google日本語入力に比べると、何となく重い気がします。
ハイスペックマシーンであればそれほど違いはないかもしれませんが、何となくgoogleの方が軽い気がします。
どっちがおすすめ?
漢字変換に関しては、ほぼ互角。
橋の端を箸を持って歩く
のような表現は、ATOKもgoogle日本語入力も正確に漢字変換できるレベルです。それに、そう紛らわしい文章を書くこともあまりないでしょう。が、会話のような砕けた、略語が多いような文章はまだまだ完璧といった漢字ではなさそうです。
では、どちらの方がおすすめか?といわれてると、無料で使用できるgoogle日本語入力が圧倒的におすすめ。
ビジネスではATOKか
ただし、ビジネスで文章を入力する機会が多い人は、ATOKの方がおすすめ。
現在、オフィス互換の低価格なソフトがいろいろ発売されていますが、やはりビジネスで使うには最新のオフィスでないと不安なように、ビジネスで使うのであれば、変なところにけちるよりはATOKを導入した方がいいような気がします。「こんな表現でいいのかな」という場面に遭遇することは、意外と多いもので、ATOKの顔色をおそるおそるうかがいながら入力する方が、無難だと思われます。
IMEのオンオフがわかるようにしてほしい
また残念な点としては、どちらもひらがなを入力しようとしたら、半角英数字だった、というミスが未だにある点。
ATOKでは、
「日本語を入力しようとしたら、半角英数字だった」なんて場合、「ひらがな」入力をオンにし、「Ctrlキー」と「BSキー」を同時に押すと、半角英数字で入力した文章を漢字変換してくれる機能があるのですが、もっとスマートに日本語入力がオフの時は入力欄をグレーにしてくれる、とか、入力前に気がつかせてくれるようなシステムがあってもいいんじゃないかな~。と。
実際にはソフトウエアで、そういった機能をWindowsに実装させるものがフリーで公開されているんですが、どういうわけかかなりCPUパワーを消費するんです。というか、常にCPUを占有しているので、使いにくいんです。
というわけで、
- 正しい漢字変換はもとより、もう少しストレスがたまらないような入力環境の実現を目指してほしい
- ATOKは、お金かけてまで購入するほどではないかな
- それより、OCRソフトとの組み合わせで、写真やスキャン画像から文字の解析をするような別の分野への進出してほしい
- ビジネスではATOK
というのが、1日原稿用紙2~3枚分の文章やチャットをする私の使用経験からのレビューでした。
スマホ版ATOK
関連ページ
最終更新日 2018-05-02 16:13:47
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【 みかんオレンジ 】 2019/02/09 23:09
個人的に思うGoogle漢字の欠点は誤用を変換候補に乗せてしまうところでしょうか。
なので誤用を笑い話にできる立場ならgoogle漢字でも良いけれど、そうでないならATOKだと思います。
【 管理人 】 2019/02/10 00:54
最近、私のPCのGoogle日本語入力はありえないほどふざけた変換が多くなってきました。文節の区切り自体がおかしいんですよね~。
なのでATOK2017を使ってみたいです。
投稿日:2012-05-15 | | |